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高所作業車にはどんな種類がある? 作業場所や高さによる選び方を解説
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2023年10月13日
高層の建物の工事やメンテナンス、街路樹の剪定、信号や街灯の点検・修理など、2ⅿ以上の高さで作業を行う時には高所作業車が大活躍します。
本記事では高所作業車の種類について作業対象の高さや作業場所に合った高所作業車の選び方も解説します。
高所作業車とは? 高所作業車の種類
高所作業車とは、高所での工事・点検・修理などの作業に使用される機械です。
高所作業車の特徴として、
・2m以上の高さに上昇できる作業床(バスケット、バケット、プラットホームなど)がある
・自身の動力で作業床の上昇や下降ができる
・不特定の作業場所まで自身の動力で走行できる
以上の3点があげられます。
高所作業車が使われる例として、以下のような作業があります。
・信号機や街灯などの点検、修理
・建設現場での高所作業
・高層階のガラス清掃や外壁塗装
・街路樹や高木の剪定や伐採
・電力会社や電話会社などでの配電線の整備
・看板やネオンサインの設置
・屋内の照明交換や天井・壁のメンテナンス
高所作業車は建設業界、電気・通信業界、造園業界など、幅広い業界で活躍しています。
高所作業車の種類について
高所作業車と一口に言っても、動力、昇降機構、走行機能によって実に多くの種類があります。
ここでは、動力、昇降機構、走行機能別に、高所作業車の種類を紹介していきます。
動力による種類
高所作業車は、使われる動力によってエンジン式・バッテリー式・バイエナジー式の3種類に分けられます。
エンジン式
ディーゼルエンジンが主流で、ガソリンによって昇降機能や走行機能を実現します。
エンジン式は出力が高く効率性に優れている一方、排気ガスや騒音を発生させるため屋外での使用が主流です。
バッテリー式
エンジン式に比べるとコンパクトなサイズのものが多く、排気ガスやエンジン音がないため倉庫内などの屋内でも安全に使用できます。
ハイブリッド式
エンジンとバッテリーを両方搭載しており、屋外で使用する時はエンジン式、屋内ではバッテリー式など、作業環境に合わせて動力を選べます。
昇降機構による種類
高所作業車は作業床を昇降させる仕組みによっても種類分けできます。
代表的な昇降機構は以下の4種類です。
シザース式
はさみ(シザース)を開いたような形状で、パンタグラフ式に作業床を上昇させるタイプです。
作業床を2点で支えるため安定性が高く、作業床が大きめなので複数の作業員を搭乗させる作業に向いています。
垂直マスト式
何段かに分かれた昇降マストが、油圧の力で垂直に昇降するタイプです。
小型の作業車に多く、屋内などの限られたスペースで活躍します。
伸縮ブーム式
何段かに分かれて収納されたブームが真っすぐに伸びるタイプで、直進ブーム式とも呼ばれます。
大型機が多く、旋回機能によって広範囲で作業できるのが特徴です。
屈折ブーム式
伸縮ブーム式と同様に何段かに分かれたブームが伸縮しますが、ブームの中間が屈折しているのが特徴。
屈折部分があるため障害物のある場所でも作業対象物に接近して作業できます。
走行機能による種類
高所作業車の走行装置は、トラック式・クローラ式・ホイール式の3種類です。
トラック式
貨物トラックの荷台に昇降機能が付いたタイプで、作業現場まで公道を走行して移動できます。
看板設置、街灯や信号の整備、街路樹の剪定や伐採など、屋外での作業や点検に向いています。
クローラ式
キャタピラと呼ばれるクローラベルトが付いたもので、未舗装の道路や不安定な場所を走行するのに適しています。
走行速度は遅く公道を走ることはできないため、工事現場などで使用されます。
ホイール式
4つのタイヤが付いており自動車感覚で走行できるタイプです。
トラック式とは異なり公道は走行できないものの、スムーズな走行が可能です。
ノンマーキングタイヤのものを選べば、床に跡を残さないので屋内でも使用できます。
高所作業車の選び方
ご紹介した通り高所作業所には様々な種類がありますが、特定の作業に適した高所作業車を選ぶには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?
ここでは、高所作業車の選び方を解説します。
作業場所による選び方
作業場所が屋内なのか屋外であるのかによって、選ぶべき高所作業車は異なります。
屋内での使用が中心なら排気ガスやエンジン騒音の心配のない、バッテリー式がおすすめです。
屋外での使用が中心なら出力の高いエンジン式が向いているでしょう。
屋外でも屋内でも使用したい場合は、必要に応じて動力を切り替えられるハイブリッド式を選びましょう。
作業の高さによる選び方
高所作業車は、高所にある作業対象物に接近して作業できることが最も重要です。
通常、高所作業車のスペックには、最大作業床高さと最大作業可能高さが記載されています。
最大作業床高さとは最大限に上昇させた時の、バスケットやバケットの床面の地上からの高さです。
一方、最大作業可能高さは、最大限に上昇させた時に作業員が真上に手を伸ばした高さで、通常作業床高さに2ⅿプラスした高さです。
作業対象物の高さよりも1ⅿほど余裕のある数値のものを選びましょう。
作業エリアによる選び方
作業場所によっては、大きな車両が入り込めない場合もあるでしょう。
倉庫内や街中など作業エリアが限られている場合は、垂直に上昇できるシザース式や垂直マスト式の高所作業車が便利です。
広々としたエリアで広範囲にわたって作業する必要がある場合は、伸縮ブーム式がおすすめ。
また、公道を走る必要がある場合はトラック式、工事現場など不安定な場所で使用する場合はクローラ式を選びましょう。
まとめ
高所作業車は建設業、電気・通信業、造園業など、2ⅿ以上の高さのある場所で作業する必要がある業種には欠かせません。
しかし、高所作業車には動力、昇降機構、走行機能によって様々な種類があるので、どのような基準で高所作業車を選ぶのか迷ってしまう方も多いでしょう。
それぞれの種類の特徴を知った上で、作業場所や作業対象物の高さに合わせて、最も適切な高所作業車を選ぶようにしてください。